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響きと美学の極致:なぜ「ロレックス」という言葉には意味がないのか

響きと美学の極致:なぜ「ロレックス」という言葉には意味がないのか

高級時計の代名詞として世界中に知れ渡っている「ロレックス」。しかし、この言葉にはラテン語の語源も、創業者の家名も、地名も含まれていません。実は、ロレックス」は意味を持たない造語なのです。では、なぜ創業者のハンス・ウイルスドルフは、意味のない5文字を選んだのでしょうか。そこには、現代のブランディング戦略にも通じる、驚くべき「計算」と「直感」がありました。

1. 究極の「短さ」と「汎用性」へのこだわり

1905年にロンドンで創業した当初、会社名は「ウイルスドルフ&デイビス」という無骨なものでした。しかしハンスは、自社の時計に刻む名前はもっと洗練されたものであるべきだと確信していました。

彼が求めた条件は、極めてストイックなものでした。

どの言語でも発音しやすいこと

世界展開を見据え、英語、フランス語、ドイツ語、日本語など、どこの国の人が読んでも同じ響きになること。

短く、覚えやすいこと

 文字盤のデザインを邪魔しないコンパクトさ。

耳に残る響き

どこか上品で、一度聞いたら忘れられないインパクト。

彼はアルファベットを数百通りも組み合わせましたが、納得のいく答えは出ませんでした。

2. ロンドンの馬車の上で降りてきた「神の啓示」

1908年のある朝、ハンスはロンドンのシティを走る乗り合い馬車の2階席に乗っていました。その時、まるで耳元で誰かが囁いたかのように、**「ROLEX」**という5文字が頭に浮かんだといいます。彼は後にこう回想しています。「ある朝、ロンドンのシティを走る馬車の2階に乗っていたとき、親切な精霊が私の耳元で『ロレックス』と囁いたのだ」この瞬間、時計史に刻まれる伝説の名前が誕生しました。

3. 文字盤を彩る「左右対称」の美学

意味を持たない造語であるからこそ、ロレックスという名前は「視覚的」にも完璧でした。 大文字で**「ROLEX」**と書いたとき、文字のバランスが非常に良く、時計の文字盤(ダイヤル)の12時位置に配置した際、左右のボリュームが均等に見えるのです。また、5文字という短さは、時計の小さなスペースに刻印しても視認性を損なわず、むしろ高級感を演出する装飾の一部として機能しました。

4. 「意味」を後から作り上げたブランド力

通常、ブランド名は「込められた意味」によって価値が決まります。しかし、ロレックスの場合は逆でした。「ロレックス」という言葉自体には元々意味はありませんでしたが、ハンスが世界初の防水ケースや自動巻き機構を次々と発表し、その品質を世界に証明し続けたことで、**「ROLEX = 最高の信頼性とステータス」**という強力な意味が後から付与されることになったのです。「ロレックス」という名前は、意味を持たないからこそ、あらゆる文化や言語の壁を越えて世界中に浸透しました。ハンス・ウイルスドルフが馬車の上で受け取った直感は、100年以上経った今、世界で最も価値のある言葉の一つとして輝き続けています。

LUCIR-K

LUCIR-K

静岡の中心地にあるLUCIR-K(ルシルケイ)はブランド時計やヴィンテージ時計を扱うお店です。ロレックスやオメガ、カルティエ、グランドセイコーなど数多くのブランドとモデルを取り揃えています。

 

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