静岡 ロレックス「トリチウム」単なる夜光塗料を超えた「ロマンと価値の象徴」
ロレックスの「トリチウム」は、ヴィンテージウォッチの愛好家にとって、単なる夜光塗料を超えた「ロマンと価値の象徴」と言えます。
現行モデルにはない、トリチウム特有の経年変化や歴史的背景について、以下の視点で詳しく解説します。
1. トリチウムとは何か?

トリチウム(三重水素)は、1960年代初頭から1990年代後半までロレックスの夜光塗料として使用されていた放射性物質です。
自発光の仕組み
太陽光などでチャージが必要な現在の「ルミノバ」とは異なり、トリチウム自体が放つエネルギーで自ら光り続けます。
安全性の確保
前身のラジウムに比べて放射線が非常に弱く、時計のプラスチック風防やサファイアガラスを貫通できないレベルのため、人体への影響はないとされています。
2. ヴィンテージ・ファンを魅了する「焼け(パティーナ)」

トリチウム最大の魅力は、**「経年による変色」**にあります。
本来は真っ白だったインデックスや針の塗料が、数十年という時間を経て、クリーム色、黄色、さらには濃いオレンジ色(パンプキン)へと変化します。これを時計用語で**「焼け(パティーナ)」**と呼びます。
個体差の美学
保管環境(紫外線や湿度)によって色の濃淡が異なるため、世界に二つと同じ表情の個体は存在しません。
資産価値への影響
ムラなく綺麗に焼けた個体は「顔がいい」と評価され、オークション等でも高値で取引される傾向にあります。
3. 文字盤に刻まれた「T」の暗号

ロレックスの文字盤の6時位置を見ると、その時計がトリチウムを使用しているかどうかが判別できます。
| 表記 | 意味 |
| SWISS-T < 25 | トリチウムを使用しており、放射線量が25ミリキュリー以下であることを示す。 |
| T SWISS T | 同様にトリチウムを使用。インデックスの枠が金などの場合によく見られる。 |
| SWISS | 1998年頃の短期間のみ見られる「ルミノバ」への移行期の表記。 |
4. トリチウムの「宿命」とメンテナンスの注意点

トリチウムには約12年という「半減期」があります。そのため、製造から数十年が経過したヴィンテージ個体のほとんどは、すでに光る力を失っています(デッド・トリチウム)。
また、メンテナンスにおいて愛好家が最も恐れるのが**「針・文字盤の交換」**です。
メーカー修理のリスク
日本ロレックスなどの正規サービスにオーバーホールを依頼すると、夜光の劣化や剥離を理由に、現行のルミノバ夜光のパーツへ交換を提案されることがあります。
価値の維持
一度交換してしまうと、ヴィンテージとしての希少価値が大きく下がってしまいます。オリジナルを保ちたい場合は「パーツ交換不可」の条件で民間店に依頼するなど、慎重な判断が求められます。
5. まとめ:変わりゆく姿を楽しむ贅沢

現在の「クロマライト」のような、いつまでも劣化せず青白く光る技術は、実用面では完璧です。しかし、トリチウムのように**「時計と共に年をとり、表情を変えていく」**という情緒的な魅力は、ヴィンテージロレックスでしか味わえません。暗闇で光らなくなったその塗料は、その時計が刻んできた「時間」を視覚的に証明する証なのです。
LUCIR-K

静岡の中心地にあるLUCIR-K(ルシルケイ)はブランド時計やヴィンテージ時計を扱うお店です。ロレックスやオメガ、カルティエ、グランドセイコーなど数多くのブランドとモデルを取り揃えています。
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