キングセイコー 44KS(セカンドモデル)の魅力:国産高級時計の金字塔
キングセイコーの歴史において、セカンドモデルにあたる「44KS」は、国産高級時計の地位を確立した傑作として、今なお多くの時計愛好家から熱い眼差しを向けられています。1964年頃に登場したこのモデルは、初代キングセイコーから飛躍的な進化を遂げ、「実用高級機」としてのキングセイコーの独自路線を鮮やかに切り開きました。
「セイコースタイル」の息吹を宿す外装美学

44KSの最大の魅力の一つは、後のグランドセイコーにも多大な影響を与えた**「セイコースタイル」(Grammar of Design)**の原型ともいえる、そのシャープで立体的なケースデザインにあります。
鏡面と筋目のコントラスト
直線を基調としながらも、磨き分けられた鏡面と繊細な筋目仕上げの対比が、時計全体に硬質で洗練された高級感を与えています。ケースのエッジ(切り替えし)の美しさは、当時の第二精工舎(現在のセイコーインスツル)の製造技術の高さと、デザインに対する並々ならぬプライドを物語っています。
実用性の向上
初代モデルから進化し、裏蓋にはスクリューバック(ねじ込み式裏蓋)を採用。これにより防水性が向上し、日常での実用性が大きく高まりました。リューズには「W SEIKO」や初期には「Sマーク」が刻印されていることも特徴です。
裏蓋のメダリオン
ケースバックに埋め込まれた金色のメダリオン(盾、または後期のSEIKOマーク、クロノメーターモデルは獅子)は、キングセイコーの誇りの象徴であり、コレクターにとって非常に重要なポイントとなっています。
堅牢な手巻きムーブメント Cal.44系

44KSという通称は、搭載された手巻きムーブメント Cal.44系に由来します。このキャリバーは、第二精工舎が誇る名機として知られ、信頼性と精度において高い評価を得ています。
Cal.44A/4402A
振動数はロービートの18,000振動/時ながら、堅牢な作りで精度が出しやすく、**ハック機能(秒針停止機能)**を搭載したことで、より正確な時刻合わせが可能になりました。Cal.4402A搭載モデルには、カレンダー機能(デイト)が加わり、実用性がさらに向上しています。
Cal.4420A/B(クロノメーター)
特に希少性の高い「44KSクロノメーター」は、ムーブメントが特別調整され、公式のクロノメーター規格に準拠した高精度モデルです。裏蓋にはグランドセイコーと同じ**「獅子」メダリオンが配され、当時のキングセイコーの頂点**に位置づけられる存在でした
GSとは異なる「実用高級機」としての存在感

キングセイコーは、諏訪精工舎(現セイコーエプソン)で開発されたグランドセイコー(GS)と競い合う形で、第二精工舎によって生み出されました。GSが「最高峰」を目指したのに対し、キングセイコーは「実用的な高級機」という独自の道を切り拓きました。44KSは、デザインの完成度と実用機能の充実により、まさにこの「実用高級機」としての地位を確固たるものにしました。当時の大卒初任給とほぼ同等の価格帯で販売され、その品質の高さから、国産機械式時計の黄金期を象徴するモデルの一つとなっています。時を超えても色褪せない端正な顔立ちと、触れるたびに感じられる当時の技術者の**「魂」と「こだわり」。キングセイコー 44KSは、単なるアンティークウォッチとしてだけでなく、日本の時計産業の歴史、そして第二精工舎の意地とプライドが詰まった、まさにキング(王)**の名にふさわしい、魅力あふれる逸品なのです。
LUCIR-K

静岡の中心地にあるLUCIR-K(ルシルケイ)はブランド時計やヴィンテージ時計を扱うお店です。ロレックスやオメガ、カルティエ、グランドセイコーなど数多くのブランドとモデルを取り揃えています。
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