【静岡】腕時計を大切にする：時を刻むパートナーとの永い付き合い方

腕時計は単なる時間を知るための道具ではありません。それはあなたの個性、スタイル、そして歴史を刻む、まさに時を刻むパートナーです。就職や昇進、結婚といった人生の節目に手に入れた大切な一本もあれば、何十年も使い込まれたヴィンテージウォッチもあるでしょう。どんな時計であっても、適切な知識と愛情をもって接することで、その輝きは失われることなく、末永くあなたの腕元で時を刻み続けてくれます。

日々のケア：美しさと機能性を保つために

腕時計を長く愛用するためには、毎日のちょっとした気遣いが欠かせません。

汚れを拭き取る

一日の終わりには、柔らかい布でケースやブレスレット、風防（ガラス部分）の汚れや汗を優しく拭き取りましょう。特に汗は金属を腐食させる原因になるため、こまめな手入れが重要です。マイクロファイバークロスのような、傷をつけにくい素材の布が理想的です。

直射日光と高温を避ける

腕時計を直射日光の当たる場所や高温になる場所に長時間放置するのは避けましょう。特にクォーツ時計は、電池の寿命を縮めたり、内部の部品に影響を与えたりする可能性があります。機械式時計も、油の劣化を早める原因になります。

磁気から守る

スマートフォンやタブレット、IH調理器など、現代生活には磁気を発生するものが溢れています。腕時計が磁気を帯びると、クォーツ時計は遅れや進みが生じ、機械式時計は精度が著しく狂うことがあります。使用しないときは、磁気を発生するものの近くに置かないように心がけましょう。もし磁気を帯びてしまった場合は、時計店で「磁気抜き」をしてもらうことができます。

水との付き合い方

腕時計には「防水性能」が表記されていますが、その意味を正しく理解しておくことが重要です。

「日常生活防水（3気圧防水、5気圧防水など）」：汗や洗顔時の水滴、小雨程度の水濡れには耐えられますが、水泳やシャワーなどでの使用はできません。

「10気圧防水、20気圧防水」：水泳や素潜りにも対応できますが、潜水には不向きです。

「ダイバーズウォッチ（200m潜水用防水など）」：本格的なスキューバダイビングにも対応できます。

どんなに防水性能が高くても、お湯や石鹸水は避けるべきです。お湯はパッキンを劣化させ、石鹸成分は防水性を損なう可能性があります。また、リューズがしっかり閉まっているか、定期的に確認する習慣をつけましょう。

定期的なメンテナンス：プロの手に委ねる重要性

日々のケアも大切ですが、腕時計を長く使うためには**定期的なオーバーホール（分解掃除）**が不可欠です。

オーバーホールの目安

機械式時計は3～5年に一度、クォーツ時計は7～10年に一度が一般的なオーバーホールの目安とされています。車が車検を受けるように、腕時計も定期的に内部を点検し、消耗部品の交換や注油を行うことで、本来の性能を維持することができます。

オーバーホールで何をするのか

オーバーホールでは、時計を分解し、すべての部品を洗浄します。摩耗した部品や劣化したパッキンは交換し、注油が必要な箇所には新たにオイルを差します。そして、再び組み立てて精度を調整し、防水検査などを行います。この一連の作業によって、時計はリフレッシュされ、再び正確に時を刻む力を取り戻します。

専門業者に依頼する

オーバーホールは高度な技術を要するため、必ず専門の時計修理業者やメーカーの正規サービスセンターに依頼しましょう。安価な修理業者の中には、適切な部品を使用しなかったり、不十分な作業を行ったりするケースもあります。大切な時計を守るためにも、信頼できるプロに任せることが重要です。

賢い保管方法：休ませる時間も大切に

毎日使う時計もあれば、特別な日にだけ着用する時計もあるでしょう。使わないときの保管方法も、時計の寿命に大きく影響します。

適切な場所を選ぶ

保管場所は、直射日光が当たらず、湿気が少なく、温度変化の少ない場所を選びましょう。専用の時計ケースや、内部が柔らかい布で覆われた引き出しなどが理想的です。

ワインディングマシーンの活用

自動巻き時計を複数所有していて、毎日すべての時計を着用しない場合は、ワインディングマシーンの使用を検討してみましょう。ワインディングマシーンは、時計を自動で回転させることで、内部のゼンマイが巻き上げられ、止まることなく動き続けます。これにより、時計が止まるたびに時刻や日付を合わせる手間が省けるだけでなく、油の凝固を防ぎ、時計の寿命を延ばす効果も期待できます。