【静岡】機械仕掛けの芸術:時を刻む心臓

腕時計の裏蓋を開けて、その精巧な内部を眺めたことはありますか?通常、時計の裏蓋は文字盤と同様に金属でできていますが、一部の高級時計には、内部のムーブメントが見えるように透明なガラスがはめ込まれています。これをシースルーバックと呼びます。このシースルーバックは、単なるデザインの流行ではありません。それは、熟練した職人が何百もの微細な部品を組み立てて作り上げた、まさに**「機械仕掛けの芸術」**を堪能するための窓なのです。
シースルーバックから見える「心臓」
シースルーバックの向こう側に見えるのは、時計の**「心臓」**とも言えるムーブメントです。そこでは、小さな歯車が互いに噛み合い、ゼンマイのほどける力を巧みに利用して、秒針を正確に動かしています。この複雑な機構は、まるで生命を持っているかのようです。ムーブメントは、ただ時を刻むだけでなく、その美しさも追求されています。
コート・ド・ジュネーブ
(ジュネーブ・ストライプ):波紋状の美しい縞模様
ペルラージュ
真珠のような円形の模様
面取り
部品の縁を滑らかに磨き上げ、光の反射を美しく見せる技法
これらの装飾は、単なる見栄えのためだけではありません。部品の摩擦を減らしたり、ホコリの付着を防いだりする実用的な目的も兼ね備えています。
職人の物語
腕時計のムーブメントは、高度な技術を持つ時計職人の長年の経験と情熱によって生み出されます。彼らは、ルーペを使い、極めて小さなネジを締め、歯車を調整し、部品一つひとつに魂を吹き込みます。シースルーバックは、そうした職人の技術と物語を私たちに伝えてくれるのです。
また、手巻きや自動巻きといったムーブメントの違いによっても、その内部の表情は大きく異なります。
手巻きムーブメント
薄く、シンプルで、その構造の美しさが際立ちます。
自動巻きムーブメント
ローターと呼ばれる半円形の錘が、腕の動きに合わせて回転し、ゼンマイを巻き上げる様子は、まるで生き物のようにダイナミックです。
最後に
シースルーバックは、時計が単なる時間を知るための道具ではないことを教えてくれます。それは、職人の手によって生み出された、緻密で美しいアートピースです。文字盤が時計の**「顔」だとすれば、シースルーバックは、その奥に秘められた「魂」**を映し出す窓と言えるでしょう。腕時計を選ぶ際には、ぜひ一度、その裏蓋に目を向けてみてください。そこには、時を超えて受け継がれる技術と美意識が詰まっています。そして、時を刻む音は、まるで地球の鼓動のように、私たちの心を豊かにしてくれるでしょう。
LUCIR-K
静岡市中心部の商店街にあるルシルケイ、静岡では珍しいヴィンテージ時計を多く扱うお店です。ロレックス、オメガを中心にカルティエ、ティファニーなどのブランドと限定品や今ではなかなか見れないレア品まで取り揃えています。興味のある方は是非、足を運んでみてはいかがですか。
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