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静岡アンティークジュエリー 幻の技法「ピクエ」とは?

静岡アンティークジュエリー 幻の技法「ピクエ」とは?

今から100年以上も昔に、職人によって受注生産された宝石は「アンティークジュエリー」として、現在も人々に親しまれています。海外に比べて、ジュエリーとの関わりが比較的浅い日本女性の多くは、残念ながらアンティークジュエリーがもつ無限の魅力を知りません。

アンティークジュエリーの面白さは、使われている素材デザイン作りの3つの面で、現代のジュエリーにはなかなか見られないユニークさがあることです。わずか100年程の間に、これほどまでに違うのか、そして、どうしてこれほどに優れたものが製作できたのかと、ジュエリーに見飽きた人でも感動してしまうほどの違いがアンティークジュエリーにはあります。

日本では、アンティークジュエリーに関心を持つ人がまだまだ少ないのは残念ですが、これから国内でもさらに注目される分野がアンティークジュエリーといっても過言ではありません。

今回は、そんなアンティークジュエリーの中で幻の技法といわれる「ピクエ」についてご紹介いたします。

 

幻の技法「ピクエ」とは?

ピクエ(Pique:ピクゥエ、ピクウェ)は、象牙、べっ甲、真珠母貝などの有機素材の表面に、金、銀、真珠貝を象嵌したものを言います。ピクエに使用する金属は、薄いものではなく1㎜程度も厚みのあるものを使います。しかし、その表面は、象嵌したとは思えないほどの滑らかな仕上がりなんです。

※象嵌:金属・陶磁器・牙(きば)・木材などに、模様などを刻み込んで、そこに金・銀その他の材料をはめ込むこと。また、そのはめ込んだもの。

ピクエはもともと、17世紀のフランスで誕生した技法と言われています。その後、オランダ、英国へと移転しますが、19世紀半ばまでは、トレイ、小箱、化粧道具入れ等、日用品の装飾に用いられることが多かったようです。その後、装身具として用いられるようになりますが、19世紀末頃には姿を消してしまいます。

それから現代までの約100年もの間、多くのジュエリー職人たちが、ピクエを作り出そうと何度も挑戦しますが、その製法は秘密とされていたため、挑戦はすべてが失敗に終わり、ピクエは結局幻の技法となってしまったのです。

現存するピクエの作品がいかに貴重なものであるかがお分かりいただけるかと思います。ぜひ機会があれば、ピクエの作品を手に取ってじっくりと眺めていただきたいです。その技術の高さに、きっと息を飲まれるでしょう。

では、そんな貴重なピクエの作品をいくつか紹介させていただきます。

 

ピクエブローチ

ピクエブローチ

1880年頃、イギリスで作られた作品です。

とても珍しいデザインのピクエブローチです。実はピクエ作品のほとんどが、ジャポニズムと呼ばれる東洋趣味をモチーフにしています。しかし、この作品はデザインがシンプルな連続模様のめずらしい作品です。着ける用途が広く、ブローチはもとより帯留めとしてお使いいただいても素敵な作品に仕上がっています。

 

ジャポニズムのピクエピアス

ピクエピアス

1880年頃、イギリスで作られた作品です。

薄い金銀の板を草花の形にカットし、それを鼈甲の表面に象嵌したジャポニズムの代表的なピクエピアスです。大小同じ形を重ね合わせ、軽やかに耳元で揺れるようデザインされた逸品です。

ピアスですが、イヤリングに加工することも可能です。

 

ジャポニズムのピクエイヤリング

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1880年頃、イギリスで作られた作品です。

こちらもジャポニズムのデザインです。べっ甲に象嵌し、非常に軽い作りのイヤリングに仕上がっています。揺れるたびに金が反射してとてもきれいです。

こちらはイヤリングですが、ピアスに加工することも可能です。

 

ピクエ クロスペンダント

ピクエクロスペンダント

1880年頃、イギリスで作られた作品です。

植物模様のマルチーズクロスのピクエペンダントです。表面には全く凹凸がなく、バチカンまでべっ甲で作られており、かなり腕の立つ職人によって作られたものと思われます。

けっこう大振りなペンダントなので、ファッションのアクセントになること間違いなしです。

 

 

いかがでしたか?

幻の技法「ピクエ」、気になりますよね。ぜひ手に取って触れて、その魅力を感じていただけたらと思います。

 

 

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